- 「ベルマーク」って必要?
- 2023年10月14日
小学校時代、ベルマークを集めた経験がある方は多いかもしれません。私はその頃の習慣がしっかり身についていて、大人になってからも切り取って保管しています。その習慣化されたベルマーク集めは、子どもが小学校にあがってから役に立っています。
つい先日も「おかーさん、ベルマーク学校に持っていくからちょーだい!」と言われたばかりですが、その仕組みについて知らないなぁと思い、何となくの習慣をきちんと理解すべく、まとめてみました。
ベルマーク運動の始まり
1957年、教育設備の不十分であった山間・離島(いわゆるへき地)に勤務する教職員から朝日新聞に寄付金を募る投書が寄せられました。その思いに応えようと新聞社内で生まれたアイデアを基に仕組みが作られ、1960年から運動が始まりました。
「すべての子どもに等しく、豊かな環境のなかで教育を受けさせたい」という想いのもと、教育施設や公民館や大学などの学習施設への教育環境の整備・助成、特別支援学校や被災校、海外の開発途上国への援助などを行っています。
<ベルマーク運動の仕組みとは>
➀協賛企業のベルマーク対象商品を購入し、ついているベルマークを切り取り、集める。
②集めたマークを小学校などの参加団体で集約、集計。ベルマーク財団に送る。
③点数に応じた金額が「ベルマーク預金」となり、教材などの購入に使用できる。
④ベルマーク財団の発行するカタログ(協力会社が取り扱う商品。主に教材など)から商品を注文。
⑤財団から協力会社に発注。注文品は学校へ。
💡ポイント💡
注文品の代金から10%が財団へ寄付され、援助金として他の学校や災害の被災地域のために使用されます。
マークを集めて、自分たちの学校に必要な備品が購入できるだけではなく、困っている学校への寄付・援助になるというところも合わせ、子どもたちに集める意義を持たせられるのは良い点ですね。
ベルマーク集めが習慣になっていたわりに「集めたら学校の備品を買うために使われるんだよな…」くらいしか理解していませんでした(汗)
集計は意外と大変?!
日常購入する商品についているベルマークですが、ベルマーク運動に参加し預金できるのは、保育、学校施設(保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校)、また公民館や大学などの学習団体などです。
ベルマーク財団の情報では、2023年現在、小学校の7割、中学校の6割と多くの学校が参加しているそうですが、一方、ベルマーク活動を辞めてしまう学校も増えているようです。その理由として、作業が面倒&時間がかかるわりに得られる「特典」が極めて低いためと思われます。
ベルマークは、集めたものをそのまま財団に送るのではなく、50社近い協賛企業のベルマークを「企業ごとに分ける」のです。企業ごとといっても、ベルマークの点数は、商品によって0.5~70点とさまざまな点数があります。企業ごとに分けたものを今度は集計していきます。各団体によってやり方は異なるようですが、数えやすいようにキリの良い点数で集め、テープで台紙に貼っていくなどしているようです。そして、台紙に貼ったベルマークを企業ごとの専用の封筒にまとめ、各点数の枚数、合計などを記入します。
これ、すべて手作業です。ただでさえ小さいベルマーク、素材によっては丸まりやすかったり、静電気で他のマークに貼り付いたり、息やちょっとした動作で吹き飛んだり…。
ベルマーク活動は「PTAの仕事」?
さて、その作業を請け負うのはというと、PTA(=保護者)が多いようです。ベルマーク財団のサイトにも「活動主体はPTA(愛育会など別名称でも可)を想定しています。」と記載があります。
あれこれ手間のかかるベルマークの集計作業。PTA活動の一環だからと止む無く仕事を休んで参加する方もいるそうですが、手間をかけて、時間をかけての作業で得られる特典は多くて数万円。それも自分たちには入らないわけです。
以前、PTA活動が「ほぼ強制」という空気があったなかでは、声を上げられず我慢していた方も多かったと思いますが、いまや共働き世帯が増え、各家庭への負担軽減のためPTA活動自体縮小傾向にあります。そのなかで、負担の大きいベルマーク活動についても、できる人、やりたい人を募る「ボランティア制」やベルマーク活動を廃止する流れが出てきました。
ちなみに、私の子どもの小学校も「ボランティア制」となっています。(でも参加者が少ない場合は、PTAの方々が駆り出されているのだと思われます…)
私個人的な意見としても、ベルマーク活動は賛同する方が自由に参加する「ボランティア制」で良いと思っています。または、大人が主体となるより、実践すれば自分たちに還ってくること、ボランティア活動に関わるという目的で、児童たちに任せるのが良いと思っています。
ということで、わが子に「ベルマーク委員会を立ち上げたら?」と提案してみました。
ベルマーク活動の意味
発足当初は、まだ交通の便や通信なども整っていない時代のなか、日常の「購入」「収集」という行動で困っている人たちへ援助ができる仕組みは画期的であったと思います。賛同してきた人、関わる人の想いが繋いできた活動ですが、ウェブなどで簡単に寄付ができてしまう現代、手作業で時間をかけるより、より効率の良い手段を求めてしまうのは当然かと思います。
ただ、いまでもこの活動が続いている理由としては、やはり少しでも何かの役に立ちたい、という人たちの「善意」なのではないでしょうか。
財団側も昔のシステムを押し通し、寄付する側に任せっきりにするのではなく、協力したいという善意に応え、時代に合わせたやり方、工夫をしていかなければならないのではないでしょうか。
小さな声に耳を傾け始まったのがベルマーク運動なのですから。
私個人としては、「身近なところで無理なく協力できる」という意味で、この活動は続けたいと思います。また子どもたちにも身近なボランティアという意義をもって、自主的に取り組んでもらいたいとも思います。(あくまでも個人の自由ですが…)
🔔ベルマーク教育助成財団のサイトはこちら
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