- 米国株はコロナ禍をどう乗り越えた?ハイテク株 編~米国株徒然日誌④
- 2023年10月01日

100年に一度の大惨事と言われたコロナ禍が始まってから、早や3年と8カ月ーー。まだまだ完璧に終息したとは言えないものの、とりあえずは普通の日常生活を取り戻した感のある今日この頃です。
街中や電車の中でもマスクをしていない人の方がようやく主流派になってきましたね。
そこで今回は、“米国株はコロナ禍をどう乗り越えた?ハイテク株 編”と題し、米国のハイテク株がコロナ禍でどう動き、足元でどんなポジションにあるのか?コロナ前と比べて上がったのか下がったのか?はたまた横ばいなのか? コロナ禍を総括する意味でも検証してみたいと思います。
米国株をテーマに徒然なるままに綴っていく不定期連載、米国株徒然日誌④スタートです。
- コロナ禍相場を振り返ってみよう!
- 検証!ナスダックはどう動いた?
- 主要ハイテク株はどう動いた?
- ケース① テスラ(TSLA)
- ケース② エヌビディア(NVDA)
- ケース③ ネットフリックス(NFLX)
- ケース④ アップル(AAPL)
- まとめ
コロナ禍相場を振り返ってみよう!
さてコロナ禍での米国のハイテク株、みなさんはどんな印象を持っていますか?
まずは実際にハイテク銘柄を中心にいくつもの米国株に投資をしている筆者の印象をもとに振り返ってみます。
新型コロナウイルスの噂がちらほら聞こえ始めたのは、確か2020年に入ってから。それが2月に入ると急速に感染まん延が注目されるようになり、株価は急落。下げが下げを呼ぶような連日の暴落が続けたのを昨日のことのように覚えています。
ところがしばらくするとFRBによる大胆な金融緩和が始まり、さらには米国政府による大型財政出動も加わって相場は急速に反発、上昇相場に転じました。
なかでも感染拡大にともなうロックダウンで巣篭り消費が活況となり、アマゾンやネットフリックスといった巣篭り銘柄の急上昇にはすさまじいものがありました。
結果、2020年の3月20日を底に長い大相場が始まり、2021年に至っては1年を通じて主要3指数はもとよりGAFAMと呼ばれるハイテク銘柄を中心に連日最高値を更新といった時期がしばらく続くことになりました。今思えば、あれはまさにコロナ禍バブルでした。
ところがところが、やはりバブルは崩壊するものです。2022年の新年を迎えると景色はガラリと急変。ちょうど金融緩和によるインフレ懸念が高まっていたところに、2月24日にはロシアがウクライナに侵攻。世界規模でのインフレが急速の進行するようになりました。
3月に入るととうとうFRBは金融緩和から引き締めに方向転換。今度は連日のように株価が下落するようになりました。
記憶の新しいところでは、3月の消費者物価指数(CPI)がなんと40年ぶりの高水準を記録、ダウ平均は90年ぶりとなる8週連続で下落したほか、S&P500とナスダックも7週連続で下落しました。
こうして2022年は総じて下げ基調で1年を終えることになりましたね。
ところがところが……2023年の新年を迎えるとまたまた景色は一変、まるで憑き物が落ちたかのように相場は反発し、ハイテク株を中心に相場をけん引し、直近9月末時点まで基本的に上昇相場が続いています。
フゥ~、米国株、なかでもハイテク株はまさにジェットコースターのようにアップダウンを繰り返し、怒涛の3年8カ月となりましたね。
検証!ナスダックはどう動いた?
では実際にどのように動いたのか?数値で検証して行きましょう。
まずはハイテク株の比率の高いナスダックから…
(ナスダック=過去5年)23年9月29日現在


いかがでしょう?一番下の段が騰落率ですが、コロナ後安値はコロナ発生で直接下落した騰落率、上場来最高値がそのコロナ後安値からの騰落率、直近値はコロナ前からの騰落率です。
コロナ禍前のナスダックは大台の10,000を目前に上場来高値圏を推移していたんですね。そんなナスダックは新型コロナの発生で30%近く急落した後、上昇に転じ約2.3倍に成長します。
ところがそこから今度は22年を通して36%以上も急落しています。
しかし結局は直近2023年9月末の時点でコロナ前に比べなんと35%以上も上昇していることがわかります。
こうしてみるとナスダックはコロナ禍という大惨事に見舞われ、天国と地獄を行ったり来たりしながら、最終的にはもう一段階高いステージによじ登っている。
米国のハイテク株にはそんなたくましいダイナミックさを感じないでしょうか?
主要ハイテク株はどう動いた?
続いては個別銘柄の検証に移りましょう。
筆者も実際に保有しており、主要ハイテク株の中でも象徴的な銘柄をいくつか取り上げてみました。
ケース① テスラ(TSLA)
とにかく株価の上下動が激しかったのが電気自動車のテスラです。
(テスラ=過去5年)23年9月29日現在


テスラは新型コロナの発生で53%近くも急落。その割にチャートでみるとこの程度の小さなくぼみでしかありません。
その後、上昇に転じてからもアップダウンを繰り返しながら基本的に急上昇を続け、2021年11月5日には上場来最高値を更新しています。この値はコロナ後の最安値に対して、なんと約14倍になります。
ところが御多分にもれず22年に入ると下落が目立つようになり、23年1月の頭には上場来最高値から約73%も下がってしまいます。
その後もテスラの株価はアップダウンを繰り返しながら、基本的には上昇し続け、上場来最高値にはまだまだ距離があるものの、直近ではコロナ前の水準からは約4倍に成長しています。
テスラは今回のコロナ禍で頭角を表し、激しいアップダウンをしながら急成長を遂げた典型的なコロナ銘柄かもしれません。暴れ馬とはこのことです。
ケース② エヌビディア(NVDA)
エヌビディアは今最も光り輝いている象徴的なハイテク株銘柄のひとつです。話題の生成AIをけん引する代表企業でまさに絶好調を誇っています。
(エヌビディア=過去5年)23年9月29日現在


そのエヌビディアはコロナの発生で30%急落していますが、その後の値動きが激し過ぎて、チャート上ではもはや小さな傷程度にしか見えません。
コロナで急落後はこちらも上昇に転じ、21年11月にはその当時の最高値を更新、コロナ後安値の約6.5倍の成長を記録します。
ところがこれをピークにどん化が始まり急落。2022年に入ると何度も年初来安値を更新し続け、10月には最高値からの下落率は66%近くまで売り込まれてしまいます。
しかし23年に入ると状況は一変、生成AIブームをけん引する代表銘柄に成長し、直近ではコロン前に比べて、6倍近い成長を遂げています。同年8月には上場来最高値を更新、アップルやマイクロソフトとともに23年に上場来最高値を更新した数少ない銘柄となりました。
ケース③ ネットフリックス(NFLX)
株価がコロナ禍前の水準よりも下がってしまった銘柄ももちろんいくつかあります。
動画配信のネットフリックスはその代表例です。
(ネットフリックス=過去5年間)23年9月29日現在


ネットフリックスも新型コロナの発生で当初は値を下げたものの下落率は比較的小さく、むしろその後の巣篭り消費の活況を追い風に大きく上昇しました。21年11月にはコロナ直後の水準から約2倍に成長、上場来最高値を更新しました。
ところがその後は、徐々にコロナ禍からの解除が進むにともない株価は失速。22年5月には年初来安値を更新し、上場来最高値からは76%の水準まで下落しました。
その後は広告入りメニューの新設などを通じて株価は持ち直し、上昇基調に転じてはいます。しかし、直近の株価はコロナ禍前に比べ▼0.7%とマイナスに甘んじています。
ケース④ アップル(AAPL)
さて最後は時価総額世界No.1、いまや預貯金よりも安定している資産と揶揄されることもあるアップルのケースです。
(アップル=過去5年)23年9月29日現在


アップルも他のハイテク銘柄と基本的には同じパターンながら、エヌビディアやテスラに比べるとなんだかとても安定しているように見えてしまうから不思議です。
細かくみればやはり大きく下げては上げて、また下げてを繰り返しているのですが、23年7月31日には上場来高値を更新。結局はコロナ前の水準に比べ足元で約2倍以上に成長しています。流石世界を代表する超安定企業のアップルです。
まとめ
さて、”米国株はコロナ禍をどう乗り越えたのか?ハイテク株 編”、いかがだったでしょうか?
米国株にはまだ投資したことがないという人も、コロナ禍での米国株投資のダイナミズムを少しは疑似体験できたでしょうか?
米国株の主要3指数やGAFAMをはじめとした主要ハイテク株がコロナ禍前に対して直近どんなポジションにあるのかを一覧にしたのが下の表です。

米国株、それもハイテク株推しの筆者は改めて思います。
10年20年先といった中長期をみすえ、きちんとした有望銘柄を選別すれば、米国株はコロナ禍のようなたとえ100年に一度の大惨事に見舞われても、たくましくダイナミックに乗り越えていくのだなあということです。
また過去もそうであったように、コロナ禍のような大きなピンチの裏側では、必ずこれまでにない新しい有望銘柄が育っているものです。一体それはどの銘柄なのか?そんな未知の有望銘柄を発掘し甲斐が大いにあるのも米国の魅力です。
不定期連載、米国株徒然日誌ーー。今度はハイテク株以外のケースもコロナ禍でどう動いたのか?検証してみたいと思います。
- ヒロミン
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