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香港映画界に新黄金時代到来か!?
2025年02月27日
香港映画界に新黄金時代到来か!?

香港映画界が再び活気を取り戻しつつあります。2023年以降、『九龍城寨之圍城』『破・地獄』『毒舌弁護士』の3作品が1億香港ドルを超える興行収入を記録し、歴代ランキングのトップ3を塗り替えました。特に『九龍城寨之圍城』は『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』として日本でもヒットしており、国際的な人気の高まりを見せています。香港映画界の現状を調べてみました。

2年間で興行収入ベスト3が交代!
国際市場の開拓と配信戦略が成長のカギ

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香港映画の興行収入ランキングベスト3が、この2年間で一気に変わりました。2023年以降に公開された『九龍城寨之圍城』、『破・地獄』、『毒舌弁護士』の3作品が相次いで興行収入1億香港ドル(約18億円)を突破し、歴代ランキングのトップ3を更新したのです。

特に注目すべきは『九龍城寨之圍城』の快進撃。2024年5月に香港で公開されたこの作品は、鄭保瑞(ソイ・チェン)監督が手掛けた、九龍城砦を舞台にした壮絶なアクション大作。古天樂(ルイス・クー)や洪金寶(サモ・ハン・キンポー)ら実力派俳優によるド派手な格闘シーンが話題となり香港での興行収入は1億719万香港ドルに達し、香港映画史上3位の記録を樹立しました。

この成功は香港国内にとどまらず、日本市場にも波及しました。2025年1月に『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』として公開され、SNSを中心とした口コミが広がり上映館が拡大。日本国内での興行収入は2億円を突破し、2025年2月23日には鄭保瑞監督と主演俳優が来日して舞台挨拶を行うなど、大きな盛り上がりを見せました。

『破・地獄』は、2024年11月に公開された香港の葬儀会社が舞台の、深い感動を呼ぶ人間ドラマ。陳茂賢(アンセルム・チャン)監督による作品で、Mr.Boo!シリーズで日本でもおなじみのマイケル・ホイも出演しています。公開初週末から高い評価を得て、最終的に1億4,825万9,868香港ドルを記録し、香港映画史上最高の興行収入を達成しました。中国本土、台湾、マレーシア、イギリスでもヒットしており、ストーリーの質の高さが観客の心をつかみ、口コミでヒットした好例となっています。

『毒舌弁護士』は2023年1月に公開、口の悪さが原因で職を失った判事が弁護士となり巨悪と戦う物語です。呉煒倫(ジャック・ン)監督が手掛け、主演の黄子華(ダヨ・ウォン)が熱演。1億2,100万香港ドルの興行収入を上げ、法廷ドラマの新たな可能性を示しました。

香港映画界が興行的な成功を収める一方で、映画館の減少が深刻な問題となっています。1990年代には119館あった映画館は、コロナ禍を経て2021年には「UA Cinemas」の閉館などが相次ぎ、現在では約50館まで減少しました。観客動員数も低下傾向にあり、劇場公開のビジネスモデルが変化しつつあります。

その背景には、NetflixやDisney+といった動画配信サービスの普及があります。映画ファンは映画館に足を運ぶよりも、自宅で手軽に視聴できる作品を選ぶ傾向が強まり、劇場公開のみで収益を上げるのが難しくなっています。この流れは香港に限らず、日本や他の国々でも共通して見られる現象です。

近年の香港映画は、国内市場だけでなく国際展開にも積極的に取り組んでいるようです。日本市場で成功を収めた『九龍城寨之圍城』のようなケースが増えれば、今後も香港映画の世界的なプレゼンスは高まるでしょう。また、映画館の減少という現実を受け入れたうえで、NetflixやAmazon Prime Videoなどのプラットフォームを活用した戦略を強化することが求められます。

かつて『プロジェクトA』などのジャッキー・チェン作品、『さらば、わが愛/覇王別姫』『恋する惑星』といった名作で世界を魅了した香港映画界。国際市場とデジタル配信を制して新たな黄金時代を築くことができるのか、今後の動向に注目です。

ワタヤン
ワタヤン

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